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塗料による自然発火について

2018-10-11


近年、塗料を拭き取ったタオルが自然発火し、
火災の原因となる事故が起こっていることを知っていますか?
今回は、みなさんが安全にペイントを楽しめるように、
塗料による自然発火についてのお話をします。

自然発火とは?

人為的に火を付けることなく出火する現象のこと。火事の原因として少なくない要因として挙げられています。
例えば、揚げ物の油やペンキやインクなどの油類は、酸化することで発熱し発火する場合がある。その他にも、常温の大気中で僅かに衝撃を与えるだけで自然に燃焼するマッチの材料の黄リン、水の入ったペットボトルなどによる太陽光の集光、落雷などがあります。

塗料が自然発火するのはどんな時?

塗料やワックスなどの油類は、酸化反応することで発熱・発火します。
自然発火するには複数の条件が重なり合わないと発生しない。特に必要なのが「酸素」「温度」「密度」の三つです。
その熱エネルギーは、温度が高い状態でさらに増幅します。
そして、密度が高ければ高いほど熱がこもり、
酸素は酸化熱を発生させるいわば着火剤の役目となる。温度は発生した熱エネルギーを増幅させる。
そして、密度が高ければ高いほど熱が逃げずに蓄積されていき発火につながるのです。
自然発火の過程

たとえばこんなとき・・・
塗料やワックスを拭き取った布、養生に使ったシートなどを、
山積みにしたり、ビニール袋に入れたまま放置しておいたりした場合、酸化熱が発生し自然発火する恐れがある。
特に夏場は内部の温度が上昇するため、危険度が増すという。

※塗料は自然発火しません※
塗膜(塗料が固まって膜となったもの)は、薄く塗り広げられた状態のため、
熱がこもることはなく、自然発火は起こりません。
一般的な塗膜の厚みでは、酸化反応による発熱より熱放射の方が早く、熱エネルギーが蓄積されることがないからです。

自然発火する可能性のある塗料とは?

すべての塗料が自然発火するわけではありません。
可能性があるのは、油脂を基本成分として酸化乾燥で硬化し塗膜になる「アルキッド樹脂系塗料」です。
たとえば、アクリルエマルション系などの塗料は発火することはありません。

また、自然発火ではありませんが、ラッカーなど引火性塗料も火気に近づけると
危険ですのでご注意ください。

予防方法は?

アルキッド樹脂系塗料を使った場合は、以下のことにご注意ください。

拭き取った布、塗料の付着したシートやダンボール、集めた塗料カスは、
 山積みしたり容器やビニール袋にまとめたりしない。
布山積み
拭き取りや洗浄にしようした布きれ、ウエスは必ず水に浸してから
 処分 するか、速やかに焼却処分する。
ウエスをすぐに焼却しない場合は、水を十分に入れた容器に沈めてフタをし、
 水が蒸発しないように注意する。
安全な焼却設備がある場合は、そこで焼却する。

最後に

塗装するときは「塗装仕様」部分だけではなく、「塗装についての注意事項」も必ず目を通してから
作業するようにして下さい。注意事項をしっかり読んでおくことで、安全性の確保につながります。

(ブログ担当:hamada)

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